新人生劇場

ハイ! 従います


河合正信 (高知グレースチャペル会員、歯科医)

  ハイ!従います 河合正信 本年は私にとって五回目の年男、つまり還暦の年です。何事においても"らしさ" を重視しながら、何時もそれに至らない無念さ、はがゆさを未だに感じさせられています。つまり子供らしさ、学生らしさ、夫らしさ、父親らしさetc・・・。どの時代にあってもピタリとその,らしさ" にはまることができなかったのです。
 今この歳になって、ようやく、それが理解できるようになった気がします。それと言うのも、世情も、身の回りの環境も、混沌とした時代の中で育ってきたせいなのでしょう。これまでも家族から、また周りの者からも「流されて当たり前」「何で逆らって生きる必要がある? そんな労力の無駄はおよしなさい」とうるさく言われてきました。
 しかし多感な少年時代に洗礼を受けたその時の感激!それは決心、決意とかいった自己判断でなく、信仰上のタガ〈Hope〉がはめられたからだと信じています。と言いますのも、敗戦後すぐに進駐して来た米兵達のすぐ横には必ず牧師がいました。そして基地の中には、真っ先に教会が建てられました。当時私はたった10才前後の少年でしたが、肉体的なひもじさだけでなく、メンタル面も飢えていたので、「あ、満たされる!私はこの人達と共に人生を歩もう」と思ったのです。
 聖書から引用します。まずキリストの存在(マタイ20: 28)、同じく(マタイ20:26) と(マルコ9:35)各々に共通する、偉くなりたい、人の上に立ちたいという思いが、何故いけないのか、何故従属に甘んじねばならないのか、長い間、自問自答しました。
 しかし今、健康で、後継者も、そして孫までも与えられてやっと判りました。私は仕える人としてこの世に命を与えられているのだ。しかもあなたの隣人をあなた自身の様に愛しなさい。お互いに支え合いなさい(ガラテヤ5:13) という聖書の言葉が、音声まで伴って私に迫って来ます。「ハイ」従います。終生まで"