「恐れの中の信仰」<カナン偵察>

 
◆カナン偵察 

13:1 主はモーセに言われた。 13:2 「人を遣わして、私がイスラエルの人々に与えようとしているカナンの土地を偵察させなさい。父祖以来の部族ごとに一人ずつ、それぞれ、指導者を遣わさねばならない。」… 13:16 以上は、モーセがその土地の偵察に遣わした人々の名である。モーセは、ヌンの子ホシェアをヨシュアと呼んだ。 13:17 モーセは、彼らをカナンの土地の偵察に遣わすにあたってこう命じた。「ネゲブに上り、更に山を登って行き、 13:18 その土地がどんな所か調べて来なさい。そこの住民が強いか弱いか、人数が多いか少ないか、 13:19 彼らの住む土地が良いか悪いか、彼らの住む町がどんな様子か、天幕を張っているのか城壁があるのか、 13:20 土地はどうか、肥えているかやせているか、木が茂っているか否かを。あなたたちは雄々しく行き、その土地の果物を取って来なさい。」それはちょうど、ぶどうの熟す時期であった。 13:21 彼らは上って行って、ツィンの荒れ野からレボ・ハマトに近いレホブまでの土地を偵察した。 13:22 彼らはネゲブを上って行き、ヘブロンに着いた。そこには、アナク人の子孫であるアヒマンとシェシャイとタルマイが住んでいた。ヘブロンはエジプトのツォアンよりも七年前に建てられた町である。 13:23 エシュコルの谷に着くと、彼らは一房のぶどうの付いた枝を切り取り、棒に下げ、二人で担いだ。また、ざくろやいちじくも取った…13:25 四十日の後、彼らは土地の偵察から帰って来た。 13:26 パランの荒れ野のカデシュにいるモーセ、アロン及びイスラエルの人々の共同体全体のもとに来ると、彼らと共同体全体に報告をし、その土地の果物を見せた。 13:27 彼らはモーセに説明して言った。「私達は、あなたが遣わされた地方に行って来ました。そこは乳と蜜の流れる所でした。これがそこの果物です。 13:28 しかし、その土地の住民は強く、町という町は城壁に囲まれ、大層大きく、しかもアナク人の子孫さえ見かけました。 13:29 ネゲブ地方にはアマレク人、山地にはヘト人、エブス人、アモリ人、海岸地方およびヨルダン沿岸地方にはカナン人が住んでいます。」 13:30 カレブは民を静め、モーセに向かって進言した。「断然上って行くべきです。そこを占領しましょう。必ず勝てます。」 13:31 しかし、彼と一緒に行った者達は反対し、「いや、あの民に向かって上って行くのは不可能だ。彼らは我々よりも強い」と言い、 13:32 イスラエルの人々の間に、偵察して来た土地について悪い情報を流した。「我々が偵察して来た土地は、そこに住み着こうとする者を食い尽くすような土地だ。我々が見た民は皆、巨人だった。 13:33 そこで我々が見たのは、ネフィリムなのだ。アナク人はネフィリムの出なのだ。我々は、自分がいなごのように小さく見えたし、彼らの目にもそう見えたにちがいない。」

[ 14 ] ◆民の反抗 

14:1 共同体全体は声をあげて叫び、民は夜通し泣き言を言った。 14:2 イスラエルの人々は一斉にモーセとアロンに対して不平を言い、共同体全体で彼らに言った。「エジプトの国で死ぬか、この荒れ野で死ぬ方がよほどましだった。 14:3 どうして、主は我々をこの土地に連れて来て、剣で殺そうとされるのか。妻子は奪われてしまうだろう。それくらいなら、エジプトに引き返した方がましだ。」 14:4 そして、互いに言い合った。「さあ、一人の頭を立てて、エジプトへ帰ろう。」 14:5 モーセとアロンは、イスラエルの人々の共同体の全会衆の前でひれ伏していた。 14:6 土地を偵察して来た者のうち、ヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブは、衣を引き裂き、 14:7 イスラエルの人々の共同体全体に訴えた。「我々が偵察して来た土地は、とてもすばらしい土地だった。


14:8 もし、我々が主の御心に適うなら、主は我々をあの土地に導き入れ、あの乳と蜜の流れる土地を与えてくださるであろう。 14:9 ただ、主に背いてはならない。あなた達は、そこの住民を恐れてはならない。彼らは我々の餌食にすぎない。彼らを守るものは離れ去り、主が我々と共におられる。彼らを恐れてはならない。」

14:10 しかし、共同体全体は、彼らを石で打ち殺せと言った。主の栄光はそのとき、臨在の幕屋でイスラエルの人々すべてに現れた。 14:11 主はモーセに言われた。「この民は、いつまで私を侮るのか。彼らの間で行った全ての徴を無視し、いつまで私を信じないのか。 14:12 私は、疫病で彼らを撃ち、彼らを捨て、あなたを彼らよりも強大な国民としよう。」 14:13 モーセは主に訴えた。「エジプト人は、あなたが御力をもって、彼らの内からこの民を導き上られた事を聞いて、 14:14 この地方に住む者に伝えます。彼らは、主よ、あなたがこの民のただ中におられ、主よ、あなたが目の当たりに現れられること、また、あなたの雲が民の上にあり、あなたが、昼は雲の柱、夜は火の柱の内にあって先頭に進まれる事を聞いています。 14:15 もし、あなたがこの民を一挙に滅ぼされるならば、あなたの名声を聞いた諸国民は言う事でしょう。 14:16 主は、与えると誓われた土地にこの民を連れて行く事ができないので、荒れ野で彼らを殺したのだ、と。 14:17 今、わが主の力を大いに現してください。あなたはこう約束されました。 14:18 『主は、忍耐強く、慈しみに満ち、罪と背きを赦す方。しかし、罰すべき者を罰せずにはおかれず、父祖の罪を子孫に三代、四代までも問われる方である』と。 14:19 どうか、あなたの大きな慈しみのゆえに、また、エジプトからここに至るまで、この民を赦してこられたように、この民の罪を赦してください。」 14:20 主は言われた。「あなたの言葉のゆえに、私は赦そう。 14:21 しかし、私は生きており、主の栄光は全地に満ちている。 14:22 私の栄光、私がエジプトと荒れ野で行った徴を見ながら、十度も私を試み、私の声に聞き従わなかった者は誰一人として、 14:23 私が彼らの先祖に誓った土地を見る事はない。私をないがしろにする者は誰一人としてそれを見る事はない。 14:24 しかし、私の僕カレブは、別の思いを持ち、私に従い通したので、私は彼が見て来た土地に連れて行く。彼の子孫はそれを継ぐ。 14:25 しかし、今はアマレク人とカナン人とがあの平野に住んでいるから、向きを変え、明日、葦の海の道を通って、荒れ野に向けて出発しなさい。」
14:26 主はモーセとアロンに仰せになった。 14:27 「この悪い共同体は、いつまで私に対して不平を言うのか。私は、イスラエルの人々が私に対して言う不平を十分聞いた。14:28 彼らに言うがよい。『主は言われる。私は生きている。私は、お前達が言っている事を耳にしたが、その通り、お前達に対して必ず行う。 14:29 お前達は死体となってこの荒れ野に倒れるであろう。私に対して不平を言った者、つまり戸籍に登録をされた二十歳以上の者は誰一人、 14:30 私が手を上げて誓い、あなた達を住まわせると言った土地に入る事はない。ただし、エフネの子カレブとヌンの子ヨシュアは別だ。 14:31 お前達は、子供達が奪われると言ったが、私は彼らを導き入れ、彼らは、お前達の拒んだ土地を知るようになる。 14:32 しかし、お前達は死体となってこの荒れ野で倒れる。 14:33 お前達の子供は、荒れ野で四十年の間羊飼いとなり、お前達の最後の一人が荒れ野で死体となる迄、お前達の信の罪を負う。 14:34 あの土地を偵察した四十日という日数に応じて、一日を一年とする四十年間、お前達の罪を負わねばならない。お前達は、私に抵抗するとどうなるかを知るであろう。 14:35 主である私は断言する。私に逆らって集まったこの悪い共同体全体に対して、私はこの事を行う。彼らはこの荒れ野で死に絶える。』」 14:36 モーセが遣わした男達は、土地の偵察から帰ると、その土地について悪い情報を流し、共同体全体が彼に向かって不平を言うようにしたが、 14:37 土地について悪い情報を流した者は、主の御前で疫病にかかって死んだ。 14:38 しかし、土地を偵察に行った者のうち、ヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブだけは生き残った。 14:39 モーセはこれらの事をイスラエルの全ての人々に語って聞かせた。民は深く嘆いた。 14:40 彼らは翌朝早く起き、山の頂を目指して上って行こうとして言った。「さあ、主が約束された所へ上って行こう。我々は誤っていた。」 14:41 モーセは言った。「あなた達は、どうして主の命令に背くのか。成功する筈はない。 14:42 主があなた達の内におられないのだから、上って行ってはいけない。敵に打ち破られてはならない。 14:43 行く手にはアマレク人とカナン人がいて、あなた達は剣で倒される。主に背いたから、主はあなた達と共におられない。」 14:44 彼らはかまわず、山の頂を目指して上って行った。主の契約の箱とモーセは宿営から離れなかった。 14:45 山地に住むアマレク人とカナ人は山を下って彼らを撃ち、ホルマ迄来て彼らを破った。
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(c)日本聖書協会 Japan Bible Society,Tokyo,1987,1988,1995


        「恐れの中の信仰」<カナン偵察>
   
          民数記13章1節〜14章45節. 2007年9月2日

 ”神は必ず神の民を訓練されます”…それは、”神の民が天国に入る事が出来るようになる為”です。今朝は、”イスラエルの民が、約束の地カナンを目前にした時、そこに住む巨人に恐れをなして、不信仰に陥った審きとして40年の荒野の旅路が始まり、そこで信仰を学ぶ事を聴いて”参ります。

 勿論、それは、この時代の民は、殆どが荒野で死に絶える事を意味しました。しかし、その中で、”信仰に立ったヨシュアとカレブと、荒野で信仰の訓練を受ける民の子孫だけが約束の地カナンに入る”のです。

 それ故、この”40年間の荒野の旅路は、私共の信仰の訓練になぞらえられ”ます。”バランの荒野はイスラエルの南境の内側の地”です。

 ”神の民は、シナイ山で十戒を与えられ、生ける神への信仰を学び、神が臨在されると約束されました。そして神の幕屋に仕えるレビ人を聖別し、軍人の数を数え(民数記の由来)、そして訓練を経てカナンに向けて旅立ったのでした。そして、2週間後、民はバランに到着した”のです。そこは、かつてアブラハムの女奴隷ハガルが、息子と二人で荒野への旅に立った時、天使と会った井戸の近くでした。

 神は、目の前にある”カナンの地を探るようにモーセに命じられ”ました。そこでモーセは、”十二部族の頭、十二名を選び出し偵察隊を組織した”のです。

 その時、”モーセは、エフライム族のヌンの子ホセア(救い)の名を、ヨシュア(主は救い)と改名した”のです…”モーセが、ホセアを、民の指導者になる器として見抜いていたから”でした。”これからホセアが受ける救いや勝利は、ヨシュア(主なる神から受ける救いである)と心に刻む為”でした。

 ”モーセは、偵察隊に対して、山上からカナンの地を探り、民の強さ、人口、土地の良し悪し、住居形態(天幕か城壁か)、木の有無(地下水路の有無)を調べ、その地の豊かさの徴として果物を持って帰るように命令”しました。偵察隊は、”カナンの地に脅威を覚え。、四十日間もかけて念入りに偵察して帰還した”のでした。

 偵察隊は、”小学生程もある大きさの葡萄や、ざくろやイチジク”を民に見せました。正に、”カナンは、乳と水が流れる地と表現されるような豊潤な地だった”のです。

 続いて、”偵察隊はその地に入る厳しさを語り始め”ました。町が堅固な城壁に囲まれている事、また、そこには”アナクの子孫”がいた事。アナク人は、伝説のネフィリムの子孫と言われています。ネフィリムは、天から落ちて人と交わった天使の子孫と言われています。やがて、あの少年ダビデが倒す3mの巨人のゴリアテもアナクの子孫と言われています。

 ”偵察隊には、この脅威の前に自分達がイナゴのように小さく見えた”のでした。また、”ネゲブ地方にも、アマレク人(ヤコブの兄、エサウの子孫とも言われる好戦的な民族)”がおり、また”ヨルダン沿岸にはカナン人が住んでいる”と報告したのでした。

 ”12人偵察隊の内、ヨシュアとカレブだけが、現実の困難を超えて、「この地を与える」と約束された神を見上げ続け、他の10人の偵察隊は現実の恐怖の中で神を忘れた”のでした…この報告に民はざわめき立ちました。”カレブ”は、”民を鎮めて信仰に立たせよう”として、「直ぐに上って攻め取ろう。我々は必ず勝てる」と叫びました。

 しかし”他の偵察隊は、カレブの声を打ち消して巨人のアナク人の脅威を訴えた”のです。”現実の脅威の前に、カナンの地は、もはや神の約束の地と思えなくなっていた事が分かり”ます。

 ”民も、エジプトから自分達を救い出し、荒野を導いておられる神を忘れて泣き明かした”のでした…泣き続ける事は体力がいります。民の落胆の深さが伺えます。

 翌日、泣き明かした民はモーセとアロンに詰め寄って言いました。「我々はエジプトや荒野で死んでいた方が良かった。さあ、一人の頭を立ててエジプトに帰ろうと」と…。

 この、「エジプトに帰って奴隷に戻ろう」という言葉は、”モーセとアロンの心に、どんなに痛みを与えたか”と思います…”モーセとアロンは、直ぐに神の怒りを予感し、ひれ伏し、民の為に執り成しの祈りを始め”たのでした。

 それを見ていた”ヨシュアとカレブも衣服を裂き始め”ました…その行為は、”親族の死を悲しむ行為”でした…”誰も主の約束を信じない事が、それほど悲しかった”のです。ヨシュアとカレブは、再び民を諭しました。「カナンは素晴らしい地だった。民が主の御心に叶う信仰に立つなら、主は必ずあの土地を与えて下さる。主に背いてはならない。巨人を恐れてはならない。主が共にいる自分達にとって彼等は餌食に過ぎない。」と…。

 けれども、”民は彼らを石で撃ち殺そうとした”のでした。”不信仰な民に、信仰の言葉は届かなかった”のでした。牧会者は、皆、同じ様な経験を致します…”信仰者には、霊的な言葉や指導が通じますが、相手の信仰状態が悪化しますと、同じ信仰の言葉が通じなくなる経験”です。

 ”民の反逆が頂点に達した時、主の栄光が、神の臨在の幕屋から出て来て、民に語り出しました…「この民は、何時まで私を侮るのか。彼らの間で行った全ての徴を無視し、何時まで私を信じないのか。私は、疫病で彼らを撃ち、彼らを捨て、あなたを彼らよりも強大な国民としよう。」と言われた”のでした。

 この”神の言は、以前、民が金の子牛の像を造って拝んだ事件の時に、モーセに語られた事と同じ内容”です…”モーセは此処でも、以前と同じく次のように執り成し祈った”のでした。

”@「神が民を、昼は雲の柱、夜は火の柱をもって荒野を導いておられる」と聞いているエジプト人やカナン人が、その神がイスラエルの民を滅ぼされた事を聞いたなら、神を侮る様になる。

A主は契約の神ですから、主の力を大いに現して、与えると約束された土地を下さい。

B「主の変わる事のない慈しみのゆえに、もう一度、民を赦して下さい」と執り成した”のでした。

 ”主なる神は、モーセの執り成しの祈りを聴かれて、再度、民を滅ぼす事を止められた”のでした…”しかし不信仰者は主の審きを受けなければなりません”でした。

 ”神は言われました。「十度(繰り返し)も神を試み聴き従わなかった民を、一人も約束の地に入れない」と告げられた”のでした。

 その”内容”は、@「不信仰者は荒野に倒れる」…これは、「荒野で死んだ方が良かったと言った民の呟きへの審き」でした。こうして民は、これからの40年間の荒野の旅路で、1日平均82件の葬儀を出す事になったのです。

A「20才以上の者は、ヨシュアとカレブ以外、誰一人カナンの地に入る事ができない」。これは、「何故神は、アナク人の剣で倒される為にこの地に導かれたのか?」との呟きに対する審きでした。

B「あなた方がアナク人の餌食となると心配した子供達は、神である私が責任を持ってカナンへ導き入れる」

C「四十年間、荒野を旅させる」と言われたのでした。

 結局、”偵察隊の内、ヨシュアとカレブを除く、不信仰に陥った10人の偵察隊は神に撃たれて病死した”のです。

 しかし民は、”更なる反逆”をしたのです。”民は破れかぶれになり、「不信仰なあなた達と、今、主なる神は共におられない」と言う、”モーセの警告を無視してカナンに攻め込み、アマレク人、カナン人に撃ち破られた”のでした。

 ”主に審かれても、主に聴き従おうとしない民の頑なさは変わらなかった”のです…しばしば、この”40年もの荒野の旅と言う罰は厳し過ぎる”との批判をお聞きします。私も何度かそう思いましたが、こうして学んでいる中で、”神の約束の言葉を聴き従おうとしない者は、必ず、同じ罪を繰り返す事に気づき”ました。

 ですから、”神の御目には、荒野の40年の旅路が必要だったのです。この年月は、神の民に不信仰の罪の重さを教え、そして天国に入る信仰を訓練する為に、必要な時間”だったのでした。